運転免許を返納した、あるいは返納を考えている。そのとき残るのが「この車をどうするか」という問題です。免許を返した時点で車が自動的に処分されるわけではなく、名義も税金も持ち主のまま残ります。この記事では、免許返納と車の売却の関係を整理したうえで、しばらく動かしていない車を売るときの確認点、本人が手続きしづらいときに家族がどこまで手伝えるか、査定から引き渡しまでの流れを、初めての方にもわかるようにまとめました。
免許を返納しても、車は自動で手放したことになりません
運転免許の返納は「運転する資格」を返す手続きで、車そのものの所有権とは別の話です。返納しても車検証の所有者はそのままですし、自動車税(種別割)も毎年の基準日時点の所有者に課税され続けます。駐車場を借りていれば賃料も発生します。つまり、免許を返しただけでは、乗らない車に費用だけがかかり続ける状態になりやすいということです。
そのため、返納を決めたら「いつまでに車をどうするか」も同時に決めておくと、余計な出費を防ぎやすくなります。売るのか、家族に譲るのか、廃車にするのか。この3つのどれを選ぶかで、必要な手続きも準備する書類も変わってきます。
運転免許の自主返納と運転経歴証明書について
警察庁の案内では、運転免許が不要になった方や、加齢に伴う身体機能の低下等のため運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの方は、自主的に運転免許証を返納することができるとされています。ただし、運転免許の停止・取消しの行政処分中の方や、停止・取消処分の基準等に該当する方等は自主返納することができないとされているため、手続きの前に確認しておくと安心です。
運転経歴証明書とは
運転免許証を自主返納した方や、運転免許証の更新を受けずに失効した方は、運転経歴証明書の交付を受けることができるとされています。平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用することができる、とも案内されています。車を売るときは本人確認書類の提示を求められることが多いため、免許証を返したあとの身分証として押さえておきたい1枚です。
交付を受けられないケースもあります
一方で、自主返納後5年以上または運転免許失効後5年以上が経過している方や、交通違反等により免許取消しとなった方等は、運転経歴証明書の交付を受けることができないとされています。申請場所や受付時間、必要な書類、手数料などの詳細は各都道府県警察が定めているため、お住まいの地域の運転免許センター等にお問い合わせください。
※記載の制度・条件は2026年9月時点で各公式サイト(警察庁・国土交通省・軽自動車検査協会)に掲載されていた内容です。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。
売る・譲る・廃車にする、どれを選ぶか
まだ問題なく走れて、買い手がつきそうな車であれば、まずは売却を検討するのが一般的です。逆に、長年動かしておらず修理にも費用がかかりそうな車は、廃車という選択肢も出てきます。家族に譲る場合は売却ではなく名義変更だけで済みますが、保険や駐車場の切り替えは別途必要になります。
判断に迷うときは、先に査定を受けて金額の目安を知ってから決める、という順番がおすすめです。値段がつくなら売る、つかないなら廃車、という形で選択肢を絞りやすくなります。
※金額は一般的な目安です。実際の査定額は車種・年式・走行距離・時期・業者により異なります。
しばらく動かしていない車を売るときの確認点
免許返納の前後は、すでに数か月から数年運転していない、というケースも珍しくありません。長く置いた車はバッテリーが上がっていたり、タイヤの空気が抜けていたり、車検が切れていたりします。査定を申し込む前にこのあたりを確認しておくと、当日の段取りがスムーズです。
車検が切れている車は公道を走れないため、出張査定を選ぶか、積載車での引き取りに対応している業者を選ぶことになります。動かない状態でも引き取り自体には対応していることが多いので、申し込みの段階で車の状態を正直に伝えておきましょう。具体的な確認手順はしばらく乗っていない車を売る前にやることもあわせてご覧ください。
名義と書類の確認|本人が手続きしづらいとき
車を売るときは、車検証の所有者本人が手続きをするのが基本です。国土交通省の案内では、売買等により譲渡・譲受する手続き(移転登録)の提出書類として、移転登録申請書、手数料納付書、新旧所有者の印鑑(登録)証明書(発行されてから3ヶ月以内のもの)、代理人による申請の場合の委任状、自動車検査証などが挙げられています。軽自動車については、軽自動車検査協会の案内で、使用者の住所を証する書面(使用者または使用者の住所に変更がある場合に限り必要、発行されてから3ヶ月以内の住民票の写しまたは印鑑(登録)証明書のいずれか1点)などが示されており、自動車検査証記録事項の変更の申請手数料は無料とされています。
本人が窓口に行くのが難しい場合でも、委任状を用意すれば家族が手続きを進められる部分はあります。ただし実印と印鑑証明書は本人のものが必要なので、家族だけで勝手に進めることはできません。名義が親や配偶者になっている、すでに亡くなっているといったケースは名義が本人以外の車を売るにはで整理しています。
査定から引き渡しまでの流れ
大まかには、申し込み、査定、金額の提示、契約、書類の準備、引き渡し、入金という順に進みます。査定は自宅まで来てもらう出張査定が使いやすく、立ち会い自体は所有者本人でなくても受け付ける業者もありますが、契約と書類には本人の意思が必要です。
免許返納後は自分で運転して店舗に持ち込むことができないため、出張査定を前提に業者を選ぶと負担が減ります。査定の日程は、家族が立ち会える日に合わせて決めておくと安心です。
車以外にも残っている手続き
車を手放したあとは、自動車保険(任意保険)、駐車場の契約、ETCカードや会員サービスなど、車にひもづいた契約の整理が残ります。任意保険は解約のタイミングで扱いが変わり、将来また乗る可能性があるなら中断の手続きも検討できます。
また、カーナビやETC車載器、ドライブレコーダーには住所や立ち寄り先などの情報が残ります。引き渡しの前に消しておくと安心です。売る前の段取り全体は車を売る前の準備|査定前にやっておきたいことリストにまとめています。
よくある質問
免許を返納したら、すぐに車を売らないといけませんか?
期限が決められているわけではありません。ただ、所有している間は自動車税(種別割)や駐車場代、保険料などがかかり続けます。乗る予定がないのであれば、早めに方針を決めておくほうが負担は軽くなりやすいでしょう。
本人が入院中でも、家族だけで売却手続きを進められますか?
委任状や印鑑証明書など、本人の意思を確認できる書類がそろえば、代理での申請ができる場合があります。必要書類はケースによって異なるため、買取業者と、普通車は運輸支局等、軽自動車は軽自動車検査協会にあらかじめご確認ください。
車検が切れていても売れますか?
車検が切れた車の買い取りを受け付けている業者もあります。ただし公道を走れないため、引き取りの方法や費用の負担をどちらがするのかを、申し込みの時点で確認しておくと後から話が食い違いにくくなります。
運転経歴証明書は本人確認書類として使えますか?
警察庁の案内では、平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用することができるとされています。実際にどの書類を受け付けるかは提出先の運用にもよるため、買取業者にも確認しておくと確実です。
もっと詳しく比較したい方は 車買取サイト比較 もどうぞ。
まとめ
免許の返納と車の処分は、別々の手続きです。返しただけでは車は手元に残り、税金や保険料もかかり続けます。返納を決めたら、売る・譲る・廃車にするのどれを選ぶかを早めに決め、必要な書類と名義の状態を確認しておきましょう。本人が動きづらい場合でも、委任状があれば家族が進められる部分はあります。
本記事は各サービス公式サイトの公表情報にもとづいて作成しています。内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。売却額・査定額・連絡回数などの結果を保証するものではありません。


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