車を売るとき、ETC車載器をそのまま残すのか、取り外して次の車に移すのか。どちらを選んでも「再セットアップ」が関わってきます。この記事では、再セットアップが必要になるケース、頼める場所、用意するもの、そして手放す前に確認したい「旧セキュリティ規格」の車載器について、公式情報をもとに整理します。
「セットアップ」と「再セットアップ」の違い
ETC車載器は、取り付けただけでは使えません。その車の情報を車載器に書き込む作業が必要で、これを「セットアップ」と呼びます。料金は車の区分で変わるため、車載器が「どの車に付いているか」を記憶しているとイメージすると分かりやすいと思います。
「再セットアップ」は、その情報を別の車のものに書き直す作業です。ITSサービス高度化機構の公式サイトでは、車両情報に変更が生じた場合に必要な手続きとされ、費用は有料と案内されています(金額の記載はなし)。
再セットアップが必要になる4つのケース
首都高速道路の公式サイトでは、車載器の登録情報と実際に利用している車両の情報が一致していない場合に再セットアップが必要とされ、例として次の4つが挙げられています。
ナンバープレートを変更したとき
引っ越しで管轄が変わった場合や、希望ナンバーにした場合です。同サイトには、国土交通省の特例で交換を車検時まで猶予した場合も、新しいナンバープレートへ交換する際に必要と書かれています。
けん引できる構造に改造したとき
トレーラーをけん引できるようヒッチメンバーを付けた場合です。けん引の有無で料金の区分が変わる可能性があるためです。
車載器付きの中古車を買った・譲り受けたとき
ここが車の売買に直接関わる部分です。車載器を付けたまま手放すと、次にその車を使う人の側で再セットアップが必要になります。
車載器を別の車に付け替えたとき
車を売って車載器だけを次の車に移すケースです。この場合は自分の側で手続きが必要で、取り外して持っていくだけでは前の車の情報が残ったままになります。
車を売るとき、残す?外す?
分かれ目は、次の車でその車載器を使うつもりがあるかどうかです。次にも新しい車載器を付けるなら、残して手放したほうが手間は少なくなります。付属品として扱う業者もありますが、評価は一律ではないので査定の場で確認してください。
※付属品の評価は一般的な目安です。実際の査定額は車種・年式・走行距離・時期・業者により異なります。
移す場合は、脱着の工賃に加えて再セットアップの費用がかかります。また、ETCカードを差したまま渡してしまう行き違いは起こりやすいので、引き渡し前の確認を忘れずに。車内に残しがちなものは車を売る前に外しておくものリストでまとめています。
再セットアップはどこで頼める?
ITSサービス高度化機構の公式サイトには、セットアップ作業ができるのは「技術力や信頼性に関する厳しい審査に合格した『セットアップ登録店』に限られています」とあり、登録されていない店舗や個人では実施できないとされています。
首都高速道路の公式サイトでも、自動車販売店やカー用品店、ETCセットアップマークのある登録店で手続きをするよう案内されています。自分で買って自分で取り付けた場合でも、セットアップだけは登録店に依頼する必要があります。
用意するもの
同機構の公式サイトでは、セットアップの際に用意するものとして、車載器、車検証、本人確認書類(運転免許証等)、申請QRコードまたは委任状が挙げられています。二輪車は実車、法人申請は社員証や名刺などの所属確認書類が必要とされています。
再セットアップ専用の持ち物リストは掲載されていないため、依頼先への事前確認が確実です。車検証の記載の見方に迷ったときは電子車検証になってから車を売るときの確認手順もあわせてご覧ください。
「旧セキュリティ規格」の車載器は手放す前に確認
移すか新しくするかを決めるうえで知っておきたい論点があります。同機構の公式サイトには、「旧セキュリティ規格」の車載器は最長で2030年頃までに使用できなくなる予定と記載されています。対象は、19桁の車載器管理番号が「0」から始まるものの一部とされています。
番号は車載器本体や保証書に記載されていることが多く、確認方法も同サイトで案内されています。対象だった場合、工賃と費用をかけて移すより、残して手放して次は新しい車載器にするほうが落ち着くこともあります。
※記載の料金・条件は2026年10月時点で各社公式サイトに掲載されていた内容です。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。
残して手放すならひと言伝える
登録情報と実際の車が一致しないまま使い続けることは想定されていないため、車載器を付けたまま渡すときは「セットアップ情報は前の車のままです」と伝えておくのが親切です。車に残る情報の整理はコネクテッドサービスの解約とナビの初期化、全体の流れは車を売る前の準備|査定前にやっておきたいことリストをご覧ください。
よくある質問
外さずに売っても問題ありませんか?
残したまま手放すこと自体は広く行われています。ただし登録情報は前の車のままなので、次に使う人の側で再セットアップが必要になります。業者によって扱いが違うことがあるので、契約前の確認が安心です。
再セットアップの料金はいくらですか?
公式サイトでは有料とされていますが、金額は掲載されていません。料金は作業を行う登録店ごとに決められているため、依頼先に直接確認してください。
ETCカードも一緒に渡すのですか?
ETCカードは車載器とは別のもので、契約者本人に紐づいたカードです。車と一緒に渡すものではないので、必ず抜き取ってください。
移すかどうか、どう決めればいいですか?
脱着の工賃、再セットアップの費用、旧セキュリティ規格の対象かどうか。この3つを並べて考えると判断しやすくなります。
もっと詳しく比較したい方は 車買取サイト比較 もどうぞ。
まとめ
ETC車載器は、その車の情報を書き込んで使う機器です。車が変われば書き直す「再セットアップ」が必要で、公式サイトではナンバー変更、けん引構造への改造、車載器付き中古車の譲り受け、付け替えが例とされています。
売る側がやることは多くありません。残すか移すか決める、ETCカードを抜く、残すならひと言伝える。それだけでも行き違いは減ります。旧規格の車載器に当たる場合は、移す価値があるかの判断材料にしてみてください。
本記事は各サービス公式サイトの公表情報にもとづいて作成しています。内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。売却額・査定額・連絡回数などの結果を保証するものではありません。

